精神疾患のいろいろ

離人症性障害

離人症性障害は、不安や抑うつに次いで3番目によくみられる精神症状です。持続的に、あるいは反復的に、自分の体や精神機能から遊離している感覚があり、自分の人生を外側から観察しているように感じます。 事故、暴行、重大な病気、けがなど、生命を脅かす…

ストレス症候群⑤ サンドイッチ症候群

サンドイッチ症候群とは、上司と部下の狭間にいる中間管理職が、上司からの圧力と部下からの突き上げにより挟まれた「サンドイッチ状態」になり、強いストレスにより心身が不調となる症状です。管理職特有の症候群であるため、管理職症候群、マネージャー・…

全般性不安障害(GAD)

不安障害とは、不安を主症状とする神経症のことをいいます。神経症という用語は正式な診断名としては使われなくなってきていて、現在では「パニック障害」と「全般性不安障害」の2種類です。全般性不安障害は、パニック障害より患者数は3〜4倍多いといわ…

解離性障害

解離性障害とは、かつてヒステリーと呼ばれた神経症の一種です。本来、1人の人間の意識・感覚・記憶は統一されていますが、事件に巻き込まれたショックなど、強いストレスを受けた時に、意識や人格面での統一性が一時的に失われることがあります。これが解離…

持続性疼痛障害

持続性疼痛障害とは、日常生活に支障が出るほどの原因のわからない部分的な痛みが続く病気です。病院でいくら検査をしても痛みの原因がわからず、痛みが持続するため本人は不眠や歩行困難など、日常生活に支障をきたすことが多いようです。痛みが起こる原因…

ストレス症候群④ アダルトチルドレン症候群

アダルトチルドレンとは、子供のころに「機能不全家庭」に育ち、トラウマによって傷ついて大人になった人のことをいいます。たとえば、親がアルコール依存症などの酒害家庭に育ち、両親が不仲で、子供のころから「家庭の秘密を漏らさないように」「両親を困…

ストレス症候群③ 帰宅拒否症候群

帰宅拒症候群とは、いわゆる「会社人間」が仕事第一で家庭を犠牲にした反発などから、家族が仕事や夫自身に理解や関心を示さなくなって、家庭に居場所がなくなり、帰宅してもイライラしたり眠れなくなったりして、安らぎを得ることができなくなり、精神的に…

ストレス症候群② テクノストレス症候群

コンピュータを扱うことが原因で起きる、精神的な失調症状をテクノストレス症候群といいます。「テクノ依存症」と「テクノ不安症」の二つがあります。テクノ依存症は、コンピュータに熱中しすぎて、アルコールなどの依存症と同じように一種の中毒症状に陥る…

ストレス症候群① 空の巣症候群

子供が成人して独立し、夫も働き盛りで家のことを顧みないために、一人で家に取り残されたような気分になって、それがきっかけで心の不調を訴えるようになるケースを「空の巣症候群」と呼びます。子育てを生きがいとしてきた良妻賢母型の専業主婦に多く、内…

薬物依存症

特定の薬物に対する依存が強固になった結果、その薬物の使用を自分でコントロールできなくなってしまうのが薬物依存症です。法律で禁じられている麻薬や、過剰な睡眠薬だけでなく、日常的な息抜きに用いられるニコチン、アルコール、カフェインなどへの過剰…

躁極性障害

躁極性障害とはいわゆる躁うつ病のことで、躁状態とうつ状態が交互にあらわれる心の病気です。日本ではうつ状態だけのうつ病の人が圧倒的に多く、躁うつ病の人はあまり多くありません。しかし、うつ病の治療を続けていたら、回復したと思われる時期に急に躁…

気分変調性障害

気分変調性障害は、軽いうつ状態が慢性的に続く病気です。うつ病と並んで気分障害のひとつに分類されています。以前は「抑うつ神経症」と呼ばれていました。男女比では女性の方が圧倒的に多く、女性の患者数は男性の2〜3倍といわれています。年齢的には、…

脅迫性障害②

脅迫性障害の原因は、セロトニン(神経伝達物質)の調節障害や、脳の一部分の代謝や血流の亢進異常など、さまざまな仮説が立てられていますが、遺伝的要素を指摘する声や、自分では認めたくない不安や心の葛藤を強迫観念、脅迫行為にすりかえているという考え…

強迫性障害①

脅迫性障害とは、ある考え(強迫観念)や行為(脅迫行為)にとらわれて、どうしてもやめられずに苦しむ病気です。以前は強迫神経症と呼ばれていたもので、不安障害に分類されています。患者の約3分の2は25歳以前に発症します。思春期では男性の方がかかりやす…

慢性疲労症候群

慢性疲労症候群とは、これまで健康に生活していた人に、原因不明の強い全身倦怠感、微熱、頭痛、筋肉痛、精神神経症状などが起こり、長期にこの状態が続いて健全な社会生活が送れなくなるという病気です。慢性的な疲労感をはじめとして、多岐にわたる不定愁…

アルコール依存症

アルコール依存症は、薬物依存症の一種で、アルコールの摂取によって得られる精神的、肉体的な薬理作用に強く囚われ、自らの意思で飲酒行動をコントロールできなくなり、強迫的に飲酒行為を繰り返す精神疾患です。飲酒量が極端に増えると、やがて自分の体を…

摂食障害

摂食障害は、食べることが楽しいと感じられなくなってしまう精神的な疾患です。その種類は、拒食症・過食症・そして特定不能の摂食障害に分けられます。拒食症は、主に思春期の女性がかかりやすく、どちらかといえばやせていると思うような人でも、太ること…

解離性障害

解離とは、「過去の記憶、同一性と直接的感覚の意識、そして身体運動のコントロールの間の正常な統合が一部、または完全に失われた状態」とされています。従来はヒステリーと呼ばれていたもので、転換型ヒステリー、解離型ヒステリーに分けられていたもので…

適応障害

適応障害は、ある社会環境においてうまく適応することができず、様々な心身の症状を呈する症候群です。職場不適応や登校拒否など言われています。進学、独立、結婚など、重大な生活上の変化に対応できず、勉強や仕事などが続けられなくなります。人は、外界…

境界性パーソナリティ障害

境界性パーソナリティ障害は、若い女性に多くみられる心の病気です。「境界」とは、同じく心の病気である「神経症」と「統合失調症」の境界にある症状であることに由来しています。境界性パーソナリティ障害では、感情のコントロールに問題が生じるため、感…

PTSD−心的外傷後ストレス症候群

Post-Traumatic Stress Disorder PTSD−心的外傷後ストレス症候群とは、人が通常体験する範囲を越えた非常に強いストレスとなる出来事に巻き込まれたことによる障害のことで、この外傷体験(トラウマ)が長時間持続する症状をいいます。原因となる出来事…

統合失調症③統合失調症の治療

以前は「精神分裂病」と言われていた統合失調症は、「人格が崩壊して廃人になってしまう怖い病気」だというイメージがありました。現在では抗精神薬の発達で、他の病気と同様に適切に薬を服用することで、安定した社会生活を送る人も増えています。早期に発…

統合失調症②統合失調症の症状

統合失調症の症状は、陽性症状と陰性症状に大きく2つ分けられます。陽性症状とは、幻覚・妄想・興奮・昏迷などの急性期症状のことをいいます。正常な人には見えないものが見えたり聞こえたり、明らかにありえない考えを正しいと信じ込んだりします。激しく…

統合失調症① 統合失調症とは

精神疾患の中で、うつ病に次いで多いのが統合失調症です。100人に一人の割合でかかり、患者数は75万人を超えています。以前は精神分裂病と呼ばれていた病気です。この精神分裂病という名称が、日本では「精神が分裂する病気」→「理性が崩壊する病気」と誤…