ストレス症候群② テクノストレス症候群

コンピュータを扱うことが原因で起きる、精神的な失調症状をテクノストレス症候群といいます。「テクノ依存症」と「テクノ不安症」の二つがあります。

テクノ依存症は、コンピュータに熱中しすぎて、アルコールなどの依存症と同じように一種の中毒症状に陥る状態です。発想が次第に機械的なものになり、家族や職場の人たちとの情緒的な関係を煩わしく感じるようになります。そのために、相手の気持ちをくみ取ることができず、対人関係に支障が生じやすくなります。会社員だけに見られるわけではなく、家庭にも学校にもパソコンが欠かせない状態になっている現代、誰にでもおこりえます。

テクノ不安症は、テクノ依存症とは対照的な症状です。コンピュータに拒否反応を示す人が多い中高年のサラリーマンに多くみられます。パソコンの前に座っただけで心配になり、冷や汗が出たり震えがおきたりして、パソコンに対する不適応状態があらわれ、仕事に支障をきたすようになります。

このようなテクノストレス症候群は、新しい技術革命としての現代文明がもたらした、新種のストレスによるこころの障害だといえます。しかし、もはやコンピュータなしに生きていくことは不可能になっている現代、コンピュータと調和して生きていく方法が模索されています。

コンピュータにけして支配されず、自己実現のひとつの道具としてみなすこと、コンピュータ作業による疲労の兆候を見逃さず、適度に自己の心身をコントロールすること、温かみのある人間関係を維持できる職場づくりをすることなどが求められています。