ストレス症候群③ 帰宅拒否症候群

帰宅拒症候群とは、いわゆる「会社人間」が仕事第一で家庭を犠牲にした反発などから、家族が仕事や夫自身に理解や関心を示さなくなって、家庭に居場所がなくなり、帰宅してもイライラしたり眠れなくなったりして、安らぎを得ることができなくなり、精神的に追い詰められて、うつ状態におちいってしまいます。40代から50代の働きざかりの人に多く、軽症うつ病の一種です。

兆候として、必要もないのに会社に居残るようになったり、退社してもすぐには家に帰らず、途中で時間をつぶして、家族が寝静まったころにこっそり家に帰るようになります。

蒸発してしまいたいと思う、うつ気分、意欲の低下などがみられ、ついには家に帰れなくなり、ビジネスホテルやサウナに寝泊りするケースもあります。

発症の原因としては、仕事がうまくいっていない、出世がストップした、同僚や後輩が上司になっているなど、さまざまな職場のストレスが大きく関係しているようですが、もっと大きな問題は、家族、特に奥さんとの関係です。

帰宅拒否症候群になりやすいのは、特に趣味もなくスポーツもしない、仕事一筋の生真面目なタイプが多いようです。


患者本人の意識改革だけではなく、家族を含めて相談をして、家族全員で家庭のあり方を見直すことが大切になります。しばらく家庭から離れた方がいい場合には、ナイトホスピタルを利用して、会社が終わったらナイトホスピタルに帰り、そこからまた出社する、といった治療法もあります。