女性のメンタルヘルス③

心の病気には、その疾患によっては男女の差があることがわかっています。

うつ病では、若いころと中高年期においては、女性がかかる割合が多いとされています。特に出産を経験すると、ホルモンバランスの関係で「産褥期うつ病」にかかる場合があります。乳がんや子宮がんなどの女性特有の病気にかかり、それがきっかけとなってうつ病になることもあります。

パニック障害は、女性の方が男性よりもかなり高い発症率を示すといわれています。ほかに、女性に圧倒的に多いのは摂食障害です。また、思春期の女子に多く見られるのが対人恐怖、自己臭恐怖、自己視線恐怖、身体醜形恐怖といった恐怖症です。

こういった心の病気の発祥の男女による違いは、女性のホルモンと関係があると考えられていますが、まだはっきりとしたことは解明されていないようです。

しかし、家事や育児、介護といった家庭の問題でストレスを感じることが多いのは女性の方が多く、その一方で女性の社会進出に伴って、男性と同じような仕事上や職場の人間関係などの悩みも加わり、不安やストレスの原因も複雑化しているといえます。

こうしたことから、女性は家庭の問題、仕事上の悩みや対人関係の悩みといった、いろいろな側面で心の健康を損なうような状況におかれているといえるのです。