最近の心の病気の特徴
心の病気は世の中の変化と無縁ではけしてなく、長く続く不況で、リストラをはじめとして、働く人々に過剰な負担と失業の不安ももたらしていて、うつ病などの深刻な心の病気が増加しています。
また、最近の特徴として脳の器質的な障害、いわゆる脳器質精神病が増えてきているといいます。その理由の一つとして、交通事故の増加に伴って頭部の怪我が増えていることがあげられます。
そして、もう一つの理由は高齢化です。かつてはそれほど目立たなかったお年寄りの病気が、長生きする人が増えてきたことによって多く見られるようになっています。特に、認知症が明らかに増加していて社会問題になっています。
さらに、最近の傾向として、症状が軽い統合失調症やうつ病が増えてきているといいます。昔のように典型的な症状だけのものでなく、それらの病気の周辺にあたるようなケースが増加しているようです。
症状がそれほどはっきりせず、どちらかといえば神経症に近いようなものが増えているので、診断が難しくなっており、またこうした軽いケースは長引くことが多い点も問題になっています。
そのほかに、摂食障害のような思春期の心の病気も増加しているといいます。