成人期のメンタルヘルス

20代から40代の時期を成人期と呼びますが、職業社会では最も中心的に活躍する年代であり、個人的には結婚して新たしく家庭を持ち、子供が生まれ、自己の生活領域や役割や背負う責任が増えていく年代です。

そのために、色々な体験をしながら自信をつけていきますが、反面、ストレスや苦労が人生で一番多い時期でもあり、社会の変化の波を一番受けるのがこの年代で、環境の変化の中で自らを変化させていくことを、いやおう無しに迫られます。この時期によく見られる心の病気は、出社困難症、過剰適応症候群、燃え尽き症候群などです。

出社困難症は、いわゆる大人の不登校です。就職したばかりの20代から、働き盛りの30代、40代にも見られます。職場に行く意思はあるのに行けない状態で、会社の近くまで来ているのに、どうしても中に入ることができず、自然と足が家に向いたり、家にも帰らず、公園や繁華街などをぶらぶらしながら1日をすごしたりします。

過剰適応症候群は、人当たりがよく、気配りがあるタイプの人によく見られます。他人から見て、一見何の問題も無いように見えますが、本人にはストレスが蓄積されていて、必要以上に周囲に自分を合わせようとして、ストレスを生み出してしまいます。胃潰瘍・十二指腸潰瘍が典型的な症状の1つです。

燃え尽き症候群とは、ある日突然、やる気がなくなり働く意欲がなくなることです。昨日まで真面目にバリバリ働いていた人が、突然職場に行かなくなったり、前のように熱心に仕事をしなくなります。症状としては、不眠や倦怠感などがあります。燃え尽き症候群の人には、うつ病の可能性がありますので注意が必要です。