現代社会と家族の危機

現代家族は、離婚の増加や育児不安、自動虐待、不登校家庭内暴力ドメスティックバイオレンス、高齢者虐待など、数えたらきりがないほど多くの問題をかかえるようになっていて、現代家族は危機的状況にあるともいわれています。

家族は社会の一番小さな組織で、家族の親密な人間関係やきずなによって人は情緒的に安定し、生きる活力を培われるものです。家族がそれぞれの相互関係によって、学校・職場・地域などに参加して適応していく能力が育てられます。個人の生きがい、幸せ、精神的安定は家族と切り離して考えることはできません。

しかし、近年核家族化や離婚の増加などで、家族の規模は小さくなっていて、家庭内のさまざまな課題や問題に対処する機能が充分ではなくなっています。現代のもろくて壊れやすい家庭では、夫婦や親子、兄弟間で感情のすれ違いやかっとう、悩みや心の病気が起こりやすくなっています。

新婚期、育児期、中年期、向老期、高齢期に分類される家族のライフサイクルのステージ別に、それぞれのメンタルヘルスの課題に対処する必要があります。