ひきこもりの背景に精神疾患

現在日本では、現在全国の約26万世帯でひきこもりの子供がいると推計されるそうです。

「ひきこもり」の若者に対して厚生労働省の研究班が調査したところ、専門施設に相談してきた「ひきこもり」に悩む人の3分の1が、統合失調症など薬物治療を必要とする精神疾患を抱えていたことがわかっています。

調査は全国5カ所の精神保健福祉センターにおいて、ひきこもりの相談に訪れた当事者184人(16歳〜35歳)を対象に精神科診断を行なったものです。

調査結果によると、なんらかの精神障害を有していると診断されたのは149人で、分類不可とされた1名をのぞき、?統合失調症などを有し、薬物療法を必要とする群(49人)、?広汎性発達障害など、生活・就労支援が必要となる群(48人)、?パーソナリティ障害など、心理療法的支援が必要となる群(51人)という3つに分類されたそうです。

ひきこもりの長期化を防ぐためには、できるだけ早く当事者が専門機関に相談・受診することが重要などとする「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」も公表されています。

このガイドラインでは、ひきこもりを精神病と一線を画した現象としつつも、統合失調症発達障害などの影響と、それに伴う薬物治療の必要性についても触れていることから、ひきこもりをメンタルヘルスの問題として捉えています。