強迫性障害①

脅迫性障害とは、ある考え(強迫観念)や行為(脅迫行為)にとらわれて、どうしてもやめられずに苦しむ病気です。以前は強迫神経症と呼ばれていたもので、不安障害に分類されています。

患者の約3分の2は25歳以前に発症します。思春期では男性の方がかかりやすいのですが、成人になると男女差はありません。社会人になって発症する人も少なくありません。うつ病社会恐怖摂食障害などの病気との合併も多くみられます。

繰り返し頭に浮かぶ不愉快な想念を「脅迫観念」、やめたくてもやめることができない行為を「脅迫行為」といいます。脅迫性障害では、これらふたつの両方、あるいはどちらかにとらわれて、自分でもおかしいと思っているのに、どうしてもやめることができません。半数以上が、突然発症します。

強迫観念で最も多いのは、不潔、汚れる、ウイルスが付着するなど、汚染に対するものです。「悪いことがおこるのではないか」、「人に危害を加えてしまうのではないか」という考えにとらわれる場合もよくあります。

脅迫行為で多いのは、手を洗い続ける、数を数える、戸締りを何度も確認する、対称性や正確さにこだわり何時間もかけて直す、などです。これらの強迫観念、脅迫行為の両方が見られる患者が圧倒的に多く、全体の約75%を占めています。

自分の考えや行動が異常だということを、本人は十分にわかっていますが、どうしてもやめられず、そのために時間が浪費され、仕事や学業の妨げになり、人間関係にも影響が出てきます。