気分変調性障害

気分変調性障害は、軽いうつ状態が慢性的に続く病気です。うつ病と並んで気分障害のひとつに分類されています。

以前は「抑うつ神経症」と呼ばれていました。男女比では女性の方が圧倒的に多く、女性の患者数は男性の2〜3倍といわれています。年齢的には、大半が21歳未満で発症します。21歳未満の発症を「早発性」、21歳以降の発症を「晩発性」と分けていて、圧倒的に多いのが早発性です。

うつ病と違って症状が軽いので、病気だという認識がなく、我慢し続ける人が多いのが特徴です。典型的なケースは、21歳未満の年代から気分の落ち込み、やる気のなさなどがあり、周囲からは「怠け病」とみられていたのが、ふとしたことで医師に相談したところ、気分変調性障害が認められたというものです。

原因としては、うつ病よりも生活や環境の変化によるストレスの関与が大きいとされています。発症しやすい性格傾向としては、ものごとを否定的に考えやすい人、几帳面な人、正義感や義務感の強い人、完全主義な人など、ストレスに弱い傾向がある人です。

病院での治療の第一選択はSSRIの投薬で、これでかなり症状が軽減したところで、認知療法・行動療法の精神療法をプラスします。

気分変調性障害は、うつ病ほど症状は重くありませんが、慢性化しやすい病気です。抑うつ状態が2年以上続いている時は、気分変調性障害の可能性があり、精神科で診断を受けた方がよいでしょう。