裁判員の心のケア

最高裁は昨年6月に、「裁判員メンタルヘルスサポート窓口」を設置しています。電話とメールで24時間相談ができ、臨床心理士らによる無料のカウンセリングも受けられることになっています。今年7月末までに裁判員に選任されたのは5224人で、補充裁判員は1935人ですが、8月末現在のサポート窓口への相談はわずか50件にとどまっているそうです。

耳かき店の店員ら女性2人の殺害事件で、検察側は被告に死刑を求刑しましたね。判決は無期懲役でしたが、裁判員たちは評議の過程で難しい決断をして相当負担だったのではないでしょうか。プロの裁判官でも死刑判決は重圧が大きいといわれます。今後、死刑判決を出さなければならない裁判員裁判も出てくるでしょうし、裁判員への心のケアは重要な課題といえます。

メンタルヘルスサポート窓口への相談が少ないことは、なかなか自ら相談をしにくい雰囲気があるのかもしれません。裁判員経験者のだれもが気軽に相談できるような制度であるべきですね。