躁極性障害

躁極性障害とはいわゆる躁うつ病のことで、躁状態うつ状態が交互にあらわれる心の病気です。

日本ではうつ状態だけのうつ病の人が圧倒的に多く、躁うつ病の人はあまり多くありません。しかし、うつ病の治療を続けていたら、回復したと思われる時期に急に躁の状態になり、実は躁うつ病だったということもあります。

うつ状態の時は典型的なうつ病と症状は同じですが、躁状態になると気分が高揚し、活動性が高まります。症状が軽いうちは行動的でやる気があるように見えますが、この症状が強くなると、大騒ぎをしたり、できそうもないような大きなことを言ったり、気が大きくなってとんでもないことをしてしまいます。

気前がよくなって高価なものを買ってしまったり、莫大な借金をしてしまう、攻撃的になり暴力をふるう、社会の規範を破るなど、さまざまな問題をおこします。しかも、自分が病気であることを全く自覚しておらず、家族をはじめ周囲の人は完全に振り回されて疲れ果ててしまいます。

発祥の年齢は比較的若い人が多いといわれています。原因はまだわかっていませんが、ストレスや環境などの外部からの影響はなく、体の内側からおこるとされています。

躁うつ病の治療は、休養と薬物療法が基本です。治療薬は炭酸リチウムが中心で、てんかんの治療薬も使われます。躁状態があまりに強い時は、トラブルを起こさせないためにも入院治療が必要になります。

ちゃんと治療を行えば一般的には数か月で治りますが、躁極性障害はたいへん再発率が高いと言われています。