心の健康と病気

心の病気、精神疾患がないからといって、必ずしも心が健康であるとはいえません。そもそも、心が健康であるとはどのような状態を指すのでしょうか。およそ、次のような状態であると思われます。

①情緒的健康 自分の感情に気づいて表現できること
②知的健康  状況に応じて適切に考え現実的な問題解決ができること
③社会的健康 他人や社会と建設的でよい関係を築けること
④人間的健康 人生の意味を見出し、主体的に人生を選択すること

私たち日本人の暮らしは昔に比べると物質的は恵まれて豊かになっていますが、豊かな暮らしと言うのは単に物や環境・機材に恵まれているというだけでなく、こころの豊かさも必要にしています。かつては比較的「特別な病気」とみられがちな「心の病気」が、今では多くの人々にとって身近な問題になってきているのは事実です。

心が健康である状態を維持するには、個人の資質や能力以外にも、身体状況、社会的状況、家庭や職場の環境、対人関係などさまざまな要因が関係しています。

このため、心の健康という問題には多角的なアプローチが必要です。行政、企業、病院、学校、家庭などの各方面で、習慣や行動の形成や維持などについて行動科学に基づいたメンタルヘルスケアを、取り入れていく必要があるでしょう。