被災者の心のケア ①

戦後最悪の自然災害となってしまった今回の東日本巨大地震。被災された人々への一刻も早い十分な救援が必要ですが、これから多くの人に、心のケアが必要になってくると思われます。

災害に遭遇した後に現れることが多い反応として、不安感、絶望感、ひきこもり、頭痛、腹痛、食欲不振などがあります。そのほとんどは、数週間以内に軽快するといわれていますが、1か月以上経過しても次のような症状が見られる場合は、PTSD 心的外傷後ストレス症候群が疑われます。

ふとした時に、辛い体験の時に味わった感情がよみがえる(フラッシュバック)、突然感情が不安定になり、取り乱したり涙ぐんだり怒ったりする、やる気が起きない、漠然とした不安、頭痛、眠れない、落ち着かない等の症状、辛い経験をした状況や環境を避ける、など。そして今回のような地震の場合では、多少の揺れや大きな音、声などで、今までよりも敏感に恐怖感や不安感を引き起こし、パニックになる可能性もあります。

特に小さな子供の場合は、地震津波の意味が判らないうちに恐怖だけが心の中に残るということになり、のちに心身に影響が出る確率が高いようです。今避難所などでできることは、両親などの身近にいる大人が、常に寄り添って身体を触っていてやるとか、抱きしめてあげるようにしてスキンシップを図ることです。そして、必ず守ってあげるから大丈夫と伝えることです。

また、直接被害にあっていなくても、テレビ報道などで凄惨な状況を観ているだけで、PTSDになる人もいるそうです。小さな子供や高齢の人などは、気持ちが入り込み過ぎて、自分が被災したような感覚に陥ることもあるので、テレビ視聴にも気をつける必要があるということです。

社団法人 日本小児科医会が子どものPTSDに関するリーフレットを発表しています。http://jpa.umin.jp/download/kokoro/PTSD.pdf